「アップライトピアノの鳴る仕組み」

ピアノは鍵盤を弾くことによって豊かな音が出てきますが、その音が鳴るまでの仕組みを知ることで、より的確な奏法を求めることが可能になって来ると思います。

音が出るまでの順序・・・①鍵盤を弾く ②鍵盤からアクション部分への伝達 ③アクションからハンマーへ ④ハンマーから弦へ ⑤弦が振動して駒へ伝わり ⑥駒から響板へ響く

この順序で毎回の打鍵がメロディーやハーモニーとなってピアノから聞こえてきます。

グランドピアノはハンマーに伝えるアクション部分が横たわっているのでダイレクトに弦に伝わりますが、アップライトは縦に張られた弦をハンマーが打つ仕組みなので一段階多い動作が加えられていることになります。そのやりくりしなければならない分ハンマーが元の位置に戻るのも手間がかかっているといえるでしょう。

音色や強弱、速いパッセージの表現など様々な点でグランドピアノよりも高度な技術を蓄えないと弾きこなせないとも言えますが、この仕組みを活かして、ハンマーの動きを想像し弦に伝わる振動を意識して打鍵すると驚くほど多くの音色を醸し出すことが出来ます。

ピアノは鍵盤楽器に分類されていますが弦を響かせる・駒を通して響板が響く・意味では弦楽器と共通する項目がたくさんあります。響板や響棒、駒について改めてお伝えしたいと思います。