ピアノのテキストにシューマン作曲の「子どものためのアルバム」という43曲の曲集があります。
その最初の7曲はシューマンの娘のマリーの7歳の誕生日に贈られ、その後一気に2週間で43曲が仕上がったという作品です。
その10番めの曲「楽しき農夫」は、左手でメロディーが先行する珍しいアプローチの曲なので、この曲に出会ったときに衝撃を受けたのを覚えています。
「右手がメロディ、左手が分散和音の伴奏。」と言うのが主流の昭和30~40年頃のピアノ学習教本から抜け出したシューマンの子どものためのアルバムはとても魅力的でした。
その上「楽しき農夫」はアウフタクト(最初の音が拍子通りでなく先行して始まるスタイル)で、しばらく左手がメロディーを奏でる。途中から右手がメロディに重なりハーモニーが生まれる。
”こんな不思議な曲があるなんて、音楽って素敵だなぁ。かっこいいなぁ”と思いながら練習することが出来たのが今につながるきっかけでした。
今改めてこの曲を見てみると「仕事を終えて帰る楽し気な農夫」という副題が!
そう思って先ほどの、途中からの重なるメロディーを想像すると「一人が歌い始めたら、もう一人がやって来て鼻歌で加わって陽気に踊り出している」っていう感じに見えてきますが、みなさんはいかがでしょう?
よかったら弾いてみてくださいね。
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