『兵士の物語』は、1918年に初演されたイーゴリ・ストラビンスキーが音楽を担当し、シャルル・フェルディナン・ラミュが台本を執筆した作品。
朗読・演劇・バレエ+音楽といった異なる表現形式が一体となって展開される点が大きな特徴です。
原作はロシアの民話に由来していて、特にニコライ1世時代の徴兵制度を背景とした物語が背景にありますが、ストラビンスキーの音楽の効果で風刺の富んだ物語がより興味深く鑑賞できます。

全編に織り成されている変拍子で奏者たちはタクト(拍子)を数える作業が並大抵ではないのですが、いつしかそのリズムと不思議なメロディの虜になるという素敵な曲です。
物語はある兵士が休暇に母と婚約者が待つ故郷にてくてく歩いて帰る場面から始まり。
ひと休みしている時に、リュックから取り出したバイオリンを弾いていると『悪魔』が老人に変身して近づき、バイオリンと悪魔の持っている本を交換。それぞれの使い方(弾き方とほんの読み方)を知るために悪魔の家に3日間だけ滞在してから故郷に帰ったものの、実はそれが3年もの月日が過ぎていた・・・
故郷は変わってしまい、兵士が亡くなったと思い込んでいる母や婚約者。そのことにショックを受けながらも悪魔からもらった本で実業家に転身し、大成功を収める兵士。
生活は一変し、楽な生活になったものの心の中がぽっかり空洞になってしまい、元の自分に戻りたいと願う兵士。
悪魔に様々な試練を吹きかけられながらある国の姫の病をバイオリンで治せると確信した兵士は悪魔からバイオリンを取り戻す作戦を練り。
奪い取ったバイオリンで姫の病を癒し結婚するが、悪魔との約束=「故郷には絶対帰らない」があるにもかかわらず姫が「故郷を訪れてみたい」と願ったことで懐かしさを求めて故郷に繋がる橋を渡ったところで悪魔のささやきが聞こえ終末を迎える兵士。
巨大な富を求め、日々の楽な暮らしを夢見た兵士が気づく「人生に大切なものは・・・」
石丸幹二さんが一人で兵士+悪魔の語り役を演じている録音がYouTubeでご覧になれます。