「古本屋さんと少年」

神戸市兵庫区にある古本屋さん。シャッターには「本好きの人・本・心つなぐ店」と書いてあります。

定年退職を機に長年の夢だった古本屋を構えて15年。

経済学・民俗学・公害・ノンフィクション文学が主な取り扱い分野で店主さんご本人の著書「古本屋の四季」というエッセー集も発行されています。

「立ち退きを前に電話が通じなくなりました。御用の方は閉店の5月31日までに直接店に来てくださいね」という張り紙。

小2のHくん。「入っていいですか~」お爺さんとおしゃべりが始まりました。

Hくん「バッハの本ありますか?」

店主「バッハはないかなぁ、何か弾けるの?」

Hくん「バッハ、一つだけ弾ける曲あるよ。ベートーヴェンの伝記持っているからバッハがないかな?と思って」

店主「そうなんだね。作曲家いろいろ知ってる?ショパンとかヘンデル、モーツァルト、ベルディ」

Hくん「ベルディ、知らん~。シューベルト、シューマン、スメタナ、メンデルスゾーンは分かるよ」

店主「そうか、君とお話しするためにボリューム落としていたんだけど、今メンデルスゾーンを聴いていたんだよ。この曲だよ。知ってる?」

二人の会話は止まりません。

Hくん「お爺さん次はどこにお店出すの?」

店主「う~ん、、もうお爺さん歳だからね、終わりにするんだよ。」

Hくん「もう来れないの?僕が最後のお客さんかな。」

Hくん。音楽の好きなお爺さんとお話が出来て「他の作曲家の名前も覚えてもっとお喋りしたいな」と思ったそうです。

写真はHくんの絵「6種の味のおまんじゅう」

(音楽教室:明石大久保・神戸三宮・神戸御影・姫路網干・箕面・東京白金)