雄さんの昭和ひとりごと き_4-

(き‐4)既 視

 「きし」と読みます。意味は読んで字のごとく、「すでにみた」です。広い意味では「過去の経験」です。これが「既視感」になると心理学あるいは超心理学の分
野に入る言葉になります。フランス語で「デジャヴュ」、英語で「デジャヴ」といいます。「初めて行った場所なのに、前にも来たことがあるような気がする」とか「家
族と居間で会話をしていたら、前にも同じ話をした気がした」というような経験はありませんか。これが「既視感」「デジャヴ」で、フランスの心理学者エミール・ブワ
ラックが1917年に著した論文によると、7割の人に経験があるそうです。しかしオーストリアの心理学者で精神科医のフロイト(1856~1939)は「デジャ
ヴ現象は存在しない。過去の経験を本人が忘れていて、再び同じ経験をした時に不思議に感じているだけだ」と言っています。しかし私は友人からこんな話を聞いたこと
があります。その友人が出張で初めての町に行った時にデジャヴに陥ったので「あの時は、あの路地から○○君が出て来たなあ、と思っていたら、そのとき実
際に○○君が出て来てびっくりした」という話です。これをフロイトはどう説明するのでしょうか。