雄さんの昭和ひとりごと (た-7)

(た‐7) 滝 と 茶店

 食べ物の話です。先日の夕方、関西ローカルのニュースバラエティ番組で グルメを扱った “カツめし” というコーナーを見ていたら嬉しくなったので書きます。

以前このブログの(し‐2)で「若い頃、当時まだ布引にあった神戸中央市民病院に入院していたことがある」と書きました。大学二回生の春に“自然気胸”を発症して、手術をしたのです。

・・・それは抜糸も無事に終わり、後は退院までに体力をつけるだけ という時のことでした。看護婦さんが「入院してる間に有名な “布引の滝” でも観に行ったら?」と勧めてくれたのです。私はその滝のことを知らなかったのですが「この病院の裏口を出ると目の前が滝道の登り口だから迷いようがないよ」ということなので “体力づくり” のためにも、行くことにしました。

登り口から結構な坂を20分ほど汗をかきながら歩くと、やがて滝が見えてきました。とても雄大な滝です。真下へ行って見上げると清々しい気持ちになりました。しばらく見ていると、どこからか良い匂いがしてきました。すぐ上に茶店があったのです。入ってみるとジュースやアイス、だんごやおはぎなど甘い物の他にお酒やビール、関東かんとき(おでん)やおにぎり、麵類や丼物などもありました。ちょうどお腹が空いていたので注文しましたが、雄大な滝を見ながら食べた関東炊きとおにぎりは私に力を与えてくれました。おかげでその後すぐに退院することができたのです。

番組は、新幹線の新神戸駅の裏から登る滝道にある茶店の情景を紹介していたのですが、それは50年前に私が元気をもらった茶店でした。新神戸駅はむかし神戸中央市民病院があった場所に建っているのです。

この “カツめし” というコーナーは “食べた人に力を与えてくれる食事” がコンセプトです。この「おんたき茶屋」は、50年前の私に力を与えてくれたように 今も訪れた人々に力を与え続けてているのでしょう。