(め‐4)飯
「めし」と読みます。日本人の主食は米(こめ)ですが、そのままでは食べられませんね。必ず、水を加えて炊きます。炊き上がるとおいしい飯(めし)になるのです。この「米を炊く」行為を「炊事」と言うことから、食事の世話全般を炊事と呼ぶようになりました。「炊事・洗濯・掃除」の三大家事の中でも最も大切なものですね。コミックの「三丁目の夕日」の飯屋の女将さんも「忍たま乱太郎」の食堂のおばちゃんも、登場するときは必ず「しゃもじ」を持って出て来ます(しかもご飯粒の付いた)。ご飯をよそう「しゃもじ」が日本人の食事の象徴なのですね。林芙美子の小説「めし」では、主婦として毎日当たり前のように夫に御飯をよそう生活にわだかまりを感じる女性が主人公として登場します。また、仁徳天皇は苦しむ民衆を救うために課税や労役を三年間免除し、その結果また民衆の家々から炊事の煙が上がり始めたのを見て喜び「高き屋に登りて見れば煙立つ 民のかまどは賑わいにけり」という歌を詠んだそうです。この「民の竈」(略して「たみかま」)は、今でも時の政権に「善政」を求める言葉として生きています。「炊事」がどれだけ大切かが、よくわかりますね。 さて次回は(も‐4)です。さあ何を書こうかな。