(え‐6) エーマイナー と エーモール
また楽典の「調」のお勉強です。どちらも「エー」で始まる調名ですが、中身は大違いです。「エーマイナー」は Aminor と書いて、英語で「イ短調」のことです。Am と略すことも多く、ギターなどのコードネームはこの表記を使います。一方「エーモール」は e‐moll と書くドイツ語で、「ホ短調」のことです。
ではそれぞれの「長調」の場合はどうなるのでしょうか。
「イ長調」の英語は Amajor と書いて「エーメジャー」と読みます。コードネームの場合は略して Amaj またはただ A とだけ書くことも多いです。
「ホ長調」のドイツ語は E‐dur と書いて「エードゥアー」と読みます。短調のときの「e」が長調では大文字の「E」になるのです。
また楽典の場合には「moll」や「dur」の代わりに「:」を付けることがあります。「e:」や「E:」のような表記になりますが、小文字は短調を表すのでエーモール、大文字は長調を表すのでエードゥアーと発音することは同じです。
なおそれらの三和音の場合、イ短調は「ラ・ド・ミ」イ長調は「ラ・#ド・ミ」、ホ短調は「ミ・ソ・シ」ホ長調は「ミ・#ソ・シ」の、それぞれ三つの音で構成されます。お分かりですね。
さて今回は駄じゃれっぽく、英語とドイツ語で「エー」の発音で始まる二つの調を採り上げましたが、楽典を勉強中の人は他の調も英語表記・ドイツ語表記を含めて学習してみて下さいね。ロ調や変ロ調などでは思わず「???」になりますよ。
以上、これらはポップスの作曲やアレンジ、クラシック曲の編曲などで必ず必要になる知識なので、頑張って下さいね。