(お‐7) 大阪万博
前回の続きです。「1970年 大阪万博」の入場者“64,218,770人”という数字が如何にすごかったのか、二つのデータをお示ししたいと思います。
1、大阪都市部から万博会場への人員輸送のために、京阪神急行電鉄(現・阪急)が 大阪市営地下鉄(現・Osaka Metro)の御堂筋線を会場まで延長するために「北大阪急行電鉄」という子会社を設立して、「江坂駅」から「千里中央駅」を経由するルートで「万国博中央口駅」までを開通させました。この建設には莫大な費用がかかったのですが それを上回る運賃収益によって なんと万博開催期間中に償却できたのです。北大阪急行電鉄(北急)の運賃が日本で一番安いのは、そのおかげなのですね。なお「万国博中央口駅」と千里中央までの線路は万博終了後に廃止・撤去されて、現在はその上を高速道路の“中国自動車道”が通っています。
2、一方「万博」自体の収益も膨大な金額にのぼり、現在も約190億円の残高が“基金”として留保されているそうです。凄いですね。
ところで、この4月から開催される予定の「大阪・関西万博」の入場チケット販売数がいまだ伸び悩む中、もし「万博」自体が赤字になれば その“穴埋め”として我々の税金が投入される他に「70年万博」で生まれた190億円の基金も使われることになっているそうです・・・。また大阪市は“大阪・関西万博への人員輸送名目”で 赤字路線の「Osaka Metro中央線」を会場の夢洲まで莫大な費用をかけて延伸させました。「70年万博」のために造られた「北急」は、いま千里ニュータウンからの通勤・通学客のために 安価で便利な路線として多くの人々に活用されていますが、Osaka Metroの「夢洲駅」が万博後「IR(カジノなど)」の客にしか利用されないとしたら、大阪市民にとっては寂しいことでしょうね。