雄さんの昭和ひとりごと (くー6)

(く‐6) 車のネーミング

 ひところ、車の名前に音楽用語を付けることが流行りました。

スズキは「アルト」、ダイハツは「タント」、マツダは「シャンテ」「エチュード」、日産は「マーチ」「フーガ」「ラルゴ」、そしてホンダがいちばん多く「プレリュード」「コンチェルト」「バラード」「アコード」「クイント」「ビート」「ジャズ(輸出用車)」などです。これは「音楽は上品」というイメージにあやかろうとしたからでしょうか。

しかし、スピードが命の車に「ラルゴ」はいかがなものか、とか、「フーガ」があるのに「カノン」はないのか、とか「ソナタ」や「ソナチネ」がないけどダイハツかスズキがそのうち軽自動車を出すだろう、とか思っているうちにこのブームは去ってしまいました・・・。あれはいったい何だったのでしょう?。今からでも「カノン」を、「フーガ」に対抗する高級車としてトヨタあたりに作ってほしいと思います。

 参考 ・・・「アルト」は女声の低音部。「タント」は non tanto“あまりはなはだしくなく”から。「シャンテ」は 歌曲。「エチュード」は 練習曲。「マーチ」は 行進曲。「フーガ」は作曲技法のひとつだが“遁走曲・追走曲”の意味もある。♪~追いかけて 追いかけて すがりつきたいの あのひとが 逃げてゆく 雨の曲がり角~ ザ・ピーナッツ「恋のフーガ」から。「ラルゴ」は“遅い速度で”と“幅広くゆったりとした”の意味を併せ持つ。「プレリュード」は 前奏曲。「コンチェルト」は 協奏曲。「バラード」は 詩曲・詩歌。「アコード」は 和音。「クイント」は 五重奏の“クインテット”から。「ビート」は 拍 (音楽的な“ノリ”を表すことも)。「ジャズ」は 説明不要ですね。「カノン」も皆さんご承知ですね。「ソナタ」は 奏鳴曲。“ソナタ形式”は作曲技法のひとつ。「ソナチネ」は “小さいソナタ”。以上です。