(さ‐6)「桜井の別れ」
戦前・戦中に「国威発揚の歌」として当時の日本国民に広く歌われていた曲です。南北朝の時代、忠臣・楠木正成が敵との戦いで討ち死にすることを知りながら神戸に駆けつける際に、桜井の駅(現・大阪府島本町桜井)で合流した息子の正行が「一緒に戦いたい」と懇願するのを「生きて河内に帰って楠木家を再興しろ」と突き放す有名な場面の歌です。正成はそのあと神戸の湊川で敵の圧倒的な大軍を迎え討ち、壮絶な死を遂げたのです。
「大利根無情」
剣豪・千葉周作の一番弟子だったが大酒のために破門された平手造酒(ひらてみき)が流れ流れてヤクザの用心棒に身を落とし、利根川河原のヤクザ同士の戦に駆けつけようとする場面の歌です。懇意にしていた尼寺の妙心(みょうしん)が泣いて止めた時に「落ちぶれ果てても平手は武士、行かねばならぬ妙心殿」と言い残して死地に赴き、討ち死にしたのです。
「デイビー・クロケットの歌」
現在アメリカの州であるテキサスは昔はメキシコの一部でした。しかし、メキシコ政府のテキサス地区に対する数々の理不尽な扱いに怒った人々が蜂起し「テキサス独立戦争」を起こしたのです。そして、1836年に勝利した結果独立してアメリカに編入され、晴れて「テキサス州」になったのです。その時の英雄が銃の名手デイビー・クロケットです。その戦争の時、最も熾烈な闘いになって味方が苦戦を強いられていたアラモの砦に、負ける戦と知りながら駆けつけて討ち死にする場面の歌です。
私には好きな歌が沢山ありますが、特にこれらは聴くと胸が熱くなります。なぜなのでしょうか。大和魂?。・・・いけない、いけない、命はひとつ人生は一回。なので、これらを聴いたあとには頭を冷やすために加川良の「教訓Ⅰ」を聴くようにしています。