(ち‐6) チェルシーの唄
サブタイトル「手のひらの愛」、作詞・安井かずみ、作曲・小林亜星、歌・シモンズ、1971(昭和46)年の曲です。
皆さんは、むかし活躍した「シモンズ」という女性のフォークデュオをご存知でしょうか。大阪府出身の田中ユミさんと玉井タエさんの二人組です。高校在学中にベッツイ・アンド・クリスのコピーデュオとして活動していてスカウトされ、卒業後に上京。すぐメジャーデビューし、1971年~1974年の間テレビやステージ等で活躍しました。レパートリーは多数ありますが、なかでもデビュー曲の「恋人もいないのに」はその年にレコード60万枚を売り上げる大ヒットとなりました。また年末のレコード大賞で新人賞をとり、紅白歌合戦にも出場を果たしたので、当時の人みんなが知っている曲といえます。以前このブログの(な‐3)でも採り上げたので、読んでみて下さいね。
でも、彼女たちにとってはその「恋人もいないのに」よりもっと有名な曲があるのです。たぶん日本国民全員が知っている歌だと思います。それは「チェルシーの唄」です。チェルシーは明治製菓(現・明治)がスコットランドの伝統的なお菓子「スカッチ」を参考に開発したキャンディーで、「バタースカッチ」と「ヨーグルトスカッチ」の二種類の味で1971年に販売を開始したお菓子です。つまり明治製菓は、社運を賭けて発売開始した新商品をデビューしたての女の子二人に託したのです。参考までに歌詞全文を書いてみます。
1 懐かしい人に出逢ったような 優しい便りがいま届いた 忘れかけていた幸せ あなたにもわけてあげたい ホラ チェルシー もひとつ チェルシー
2 小さな願いが叶ったときの 嬉しい気持ちはもう隠せない 歌いたくなるよな一日 みんなにもわけてあげたい ホラ チェルシー もひとつ チェルシー
3 口笛ふきたい胸をおさえて この手の中には愛の夢が 私にはわかる 明日が 楽しさをわけてあげたい ホラ チェルシー もひとつ チェルシー
いかがですか?。歌詞を読んでいてメロディーが浮かんできたのではないですか?。ハーモニーの美しいこのCMソングは、その後もサーカス・ハイファイセット・八神純子・アグネスチャン など20のグループ・歌手に歌い継がれて来ました。その内の10のグループ・歌手たちの歌をフックトオン(寄せ集め)したYouTubeもあります。一度、探して聴いて見て下さいね。意外なグループも歌っていますよ。
しかし残念なことに、この「チェルシー」は今年の2月で製造中止されて3月で販売終了になってしまいました。「収益性の低下」が理由とのことです。お店の在庫がなくなり次第、買うことができなくなるのです。そして昭和46年から半世紀以上に渡って流されて来たこの曲も、テレビやラジオではもう聴けなくなったのです。またひとつ、昭和は遠くなりにけり・・・残念です。
余談ですが、私は勝手に思っています。大阪のおばちゃんが飴ちゃんをみんなにわけてあげるのは、この歌が心に染み込んでいるからではないかと。さあ今度お菓子屋さんに行ってチェルシーがまだあったら、買ってみんなにもわけてあげようっと!。
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