雄さんの昭和ひとりごと (て-7)

(て‐7) テンガロンハット

  “カウボーイハット” のことです。この帽子で川の水をすくうとテンガロン入る、というカウボーイ達のジョーク(冗談)です。・・・10galは 約38ℓなので、入るわけありませんよね。

 ところで、壁の装飾品としてブラ下がっている我が家のテンガロンハットに、先日久々に出番がありました。4月26日(土)に 豊中市の服部緑地公園 野外音楽堂(以下「野音やおん」)で行われた “長谷川ひかりPresents 第一回 ジプシージャズ・フェスティバル in OSAKA 2025” を聴きに行ったからです。

光氏はこのカノンムジーク主宰者・長谷川香織氏のご長男であり、カノン音楽教室のチェロ・コントラバス・ジャズベース・エレキベース・各種ギターそしてウクレレ教室の講師を務めると同時に、クラシックの演奏家としてもプロのオーケストラに客演するなど非常に多才な音楽家です。また、日本一のジプシージャズバンドと言われる「山本佳史トリオ」のベーシストとして “知る人ぞ知る” の存在でもあります。

 フェスティバルの当日は 日本中の青空を服部緑地の上に集めたような雲ひとつない晴天で 日差しが強く、つばの広いテンガロンハットをかぶって来て正解でした。

客席に座ってプログラムに目を通していると、どこからともなく風に乗って良い匂いが漂って来ました。芝生席でたこ焼きを焼く屋台があったのです。ちょうどお腹が空いていたので早速買って(ついでに缶ビールと、隣の屋台のサンドイッチも買って)客席で 飲みながら食べながら各バンドの演奏を聴かせてもらったのですが、こんな経験は初めてでとても楽しかったです。

 コンサートのプログラムは、“オープニング・アクト” としての熊谷・中嶋の二氏によるギター演奏に始まり、坪内(Vn)・山本(Gt)・Nicolas(Gt)三氏の「Bistoro Manouche」、川又(Vn)・阿部(Bs)二氏の「Pas de Djeux」、菅原(Gt)・青鹿(Gt)・田中(Gt)三氏の「GYPSY JAPAN」、山本(Gt)・友利(Gt)・長谷川(Bs)三氏の「YAMAMOTO yoshifumi TRIO」、竹廣(Acc・Vo)・アイリッシュ(Gt・Vo)・渡邊(Gt)・前田(Bs)四氏の「Cabbage & Burdock」、山本(Gt)・伊藤(Gt)・中村(Bs)三氏の「Café Manouche」の 計7バンドでした。いずれのグループも、ギターテクニックの凄さ・演奏形態のユニークさ等、長時間聴いていても飽きることはありませんでした。

 また各バンドの入れ替え時間には舞台下で、“鴨川ジプシー”“大阪ジプシー”“京都ジプシー”“東京ジプシー” の各アマチュアの人達による “ミニライブ & セッション” が行われました。“飛び入り自由” なので “大阪” の時に“鴨川” や “京都” の人達も紛れ込んで演奏していたり、またその逆もあったりで、終始なごやかな雰囲気で進みました。観ていて面白かったのは、前でセッションが行われている最中に、ステージ上で次の準備が整ったプロの奏者達も一緒になって演奏していることでした。「ああ、セッションの人達は後ろでプロが一緒に弾いてくれていることに気が付いていないんだろうなあ」と思いながら観ていました。

 そして夕方5時ごろ、私は家で待つ三匹の猫(グエル・テトラ・コテツ)に晩の食餌を与えるために、後ろ指を・・・じゃなかった、後ろ髪を引かれる思いで まだ演奏の続く会場を後にしたのでした(残念!)。でもいま、つくづく思います。雨じゃなくて良かった。テンガロンハットが役に立つ天気で良かった。たこ焼きとビールが美味しくて良かった・・・と。