雄さんの昭和ひとりごと (ぬー6)

(ぬ‐6) 命どぅ宝

 「 ぬちどぅ たから 」と読みます。「命こそ宝」という沖縄の言葉です。

太平洋戦争のとき日本で唯一地上戦が行われた沖縄。その結果、多くの民間人が巻き込まれて犠牲になった沖縄。その中には強制された“集団自決”で亡くなった方も多数いたと聞きます。「命どぅ宝」という言葉を大切にする沖縄でこのような悲劇があったとは、何と皮肉なことでしょう。

毎年、8月になると 広島 長崎 そして この沖縄に思いを寄せます。「さとうきび畑」という歌があります。作詞・作曲 寺島尚彦、歌・森山良子ほか。♪~ざわわ ざわわ で始まる、この沖縄戦を歌った曲です。その歌詞の中に「むかし海の向こうから いくさがやってきた」というフレーズがあります。つまり、沖縄の人たちにとってこの戦争は「迷惑」以外の何物でもなかったのです。そんな中で少しの救いを感じることができるのは、集団自決を強いられた人の中に「命どぅ宝」という言葉を思い出して自決を思いとどまった人たちが少なからずいた、ということです。

いま私たちは平和に暮らすことができていますが、あの惨劇の時代に生きた(死んだ)人々の思いを決して忘れてはならないと思っています。