雄さんの昭和ひとりごと (ね-8)


(ね‐8) 寝 屋

 「ねや」です。“寝る部屋” つまり「寝室」のことですね。大阪府の寝屋川市は昔 牧人まきびと(牛飼い)やそまびと(木こり)などが自宅とは別に山の中に寝泊まりする小屋を作って「寝屋」と呼んでいたことが市の名前の由来になっているそうです。そういえば、淡路島の東海岸にある「仮屋かりや」という地区は、ふだんおかに住む漁師が漁の時期だけ浜に “仮の小屋” を建てて寝泊まりしていたから地名になったという説がありますが、同じ発想ですね。

 ところで先日、夕方に「4チャンテレビ」というニュース番組を観ていて驚いたことがありました。“自転車旅のコーナー” で 女性アナウンサーなど番組スタッフが三重県の答志島に渡った時に、たまたま出会った若い漁師が「いま寝屋子ねやこをしてる」と言ったことです。“寝屋子制度” とは「寝屋ねやおや」と呼ばれる大人たちが若者を数人づつ親から預かって自宅に寝泊まりさせて集団生活の基本を教え込む “若衆わかしゅ宿やど” のことで、昔は全国各地にあったけど 今は全て無くなったと思われていたからです。

寝屋子の若者が「この人が親です」と言ってニコニコ笑っている人を紹介してくれましたが、その方が “寝屋親” で「漁師としての仕事を叩き込んでくれている」そうです。いま答志島だけにこの制度が残っていることが、よく判った気がしました。