(は‐7) 阪急電車 と 阪神電車
また阪急と阪神の話です。正式名称を「阪急電鉄(株)」「阪神電気鉄道(株)」と言う、どちらも大変歴史の古い会社です。両社は(は‐6)でも書いたように、2006年に “経営統合” されて「阪急阪神ホールディングス(株)」という一つの会社の傘下に入るまでは、ともに大阪・神戸間を走る “ライバル会社” として非常に仲の悪い関係でした。
その一つの例として、阪急が伊丹駅から宝塚駅までの路線延長を計画した時に阪神が “そうはさせじ” と邪魔をした上、自分たちが尼崎駅から宝塚までの鉄道路線「尼宝線」を作ろうとしたことです。それに気付いた阪急が “聖地を侵されてなるものか” と あらゆる手段を使って全力で阻止したために、阪神は鉄道を通せず「バス専用道路」しか作ることが出来ませんでした。それが現在の「尼宝道路」なのです。その結果、阪急宝塚駅前のロータリーに阪神バスが停まっているという非常に違和感のある状況が続いていました。
他にも、阪神が西宮駅から夙川沿いに甲山までの路線を計画した時に阪急が “そうはさせじ” と邪魔をした上、自分たちが夙川駅から甲陽園駅までを先に開通させてしまい、阪神の計画を潰したこともあります。
このように仲の悪かった両社ですが、経営統合された今では当たり前のように阪神の線路上を阪急の車両が走っているそうで、阪神沿線に住む人たちは夜中に何度も目撃しているそうです。走る理由は阪神尼崎の工場で阪急の車両を改造するためですが、その方法は両社の線路が繋がっている「新開地駅」で阪急のレールから阪神のレールに乗り移るそうです。
ならば阪急沿線に住む私としては逆に、阪神特急が阪急神戸線を走るという愉快な情景を見てみたいと思います。“阪神大阪梅田発・阪急大阪梅田行き” の電車が走ると乗ってみたいのですが・・・。