雄さんの昭和ひとりごと (へ-8)

(へ‐8) ヘ → ハ

 カタカナの「ヘ と ハ」です。漢数字のはちではありません(念のために)。さて、このブログでこれまで何度か “楽典のお勉強” として「調号と主音」や「和音と音名」などの学習をしてきました。今回はそれを基にした “ギターコードを書き換える方法” です。

 「ドレミファソラシ」は日本語ではなく「イタリア音名」であることは、もうお解りですね。それに対応する「日本音名」は「ハニホヘトイロ」、「英語音名」は「CDEFGAB」で、読み方が「シー ディー イー エフ ジー エー ビー」であることも、お解りですね。なお今回は、ややこしくなるので「ドイツ音名」は省略させて頂きます。

 さて、今からちょうど一年前の5月26日に、(な‐7)で「なんとなくなんとなく」という曲のウクレレコードと その奏法を紹介しました。そして、「このコードが自分の声域に合わない人は コードを替えてみましょう」といって、それぞれの替えたコードと運指を示しました。今回はその「コードを書き換える行為」を “音楽理論的” に説明してみようと思うのです。

 ・・・そこで表題の「ヘ → ハ」です。

調でいえば「ヘ長調 → ハ長調」の移調、調号でいえば「♭ひとつ → 調号なし」、主音でいえば「ファ → ド」、和音(コード)でいえば「F → C」の書き替えになります。

森山良子さんに「この広い野原いっぱい」という素晴らしい歌がありますが、この曲を例にして考えてみましょう。楽譜を見ると、各五線の左端にある調号が ♭ひとつなので「ヘ長調」で出来ていることが判ります。では、歌詞とコードをお示しします。

 (F)このひろい(Am)のはらいっぱい(Gm)さくはな(C7)を、

ひ(F)とつの(Am)こらず(Gm)あなたに(C7)あげる、

あ(B♭)かいリ(B♭m)ボンの(F)はなた(C7)ばにし(F)て

 ・・・いい曲ですが、全体的に声域が低いので、メロディーを高くしたい。 コードも、GmやB♭やB♭mが難しいので、簡単なコードに替えたいと思います。そして、このようなコードの難しい曲は Cから始まるコード進行に替えると簡単になる場合が多いのです。

 ところで、ギターコードは「英語音名」でできています。「F(エフ)」は 「ファ」を主音とした三和音、「Am(エー マイナー)」は 「ラ」を主音とした短三和音、「B♭(ビー フラット)」は 「♭シ」を主音とした三和音で出来ているのです。

 なので、例えば「F」を「C」に替える ということは「ファ」を「ド」に替える行為をすることになります。楽典的にいうと「ファ と ソ」が「全音」、「ソ と ラ」も「全音」、「ラ と シ」も「全音」、そして「シ と ド」は「半音」だから、「全音3つ 半音ひとつ」の「完全5度上げる」ことになるのです。他のコードも同じようにして完全5度上げます。「B♭」なら「♭シ と ド」が「全音」、「ド と レ」も「全音」、「レ と ミ」も「全音」、「ミ と ファ」は「半音」なので、「B♭」の完全5度うえのコードは「F」ということになります。

 つまり、この曲の場合は F→C Am→Em Gm→Dm C7→G7 B♭→F B♭m→Fm に それぞれ替わるのです(自分でも試してみましょうね)。

また、メロディーの音も 出だしの「ド」は「ソ」に、次の「ラ」は「ミ」に替わるなど、他の音もすべて完全5度うえの音に替わります。上でも触れたように、この曲は調号が ♭ひとつの「ヘ長調」で書かれています。なのでメロディーを「ハ長調」に書き換える場合は「調号なし」の五線に それぞれ5度うえの音を “機械的に” 記入していくと、移調が完成します。ただ、間奏に出てくる「♮シ」は「#ファ」に替わります。なぜだか解りますよね?。