雄さんの昭和ひとりごと (ほ-6)

(ほ‐6) 法曹 と 放送

 どちらも「ほうそう」と読みます。「法曹」は法律を扱う専門職を指す言葉で、裁判官・検察官・弁護士のことを言います。この“法曹三者”つまり「司法」は 憲法で保障された「司法・立法・行政の三権分立」の精神によって、立法府である「国会」や 行政府である「政府」から干渉を受けることのない独立した存在となっています。今から半世紀前に、現職の総理大臣が逮捕・起訴されて有罪判決を受け、収監・服役した疑獄事件は有名です。また、国が被告になった「行政訴訟」で国側に敗訴の判決を下したことも、これまで多々ありました。

そして「放送」は、テレビやラジオその他の媒体を通して国民の知る権利を守るために社会情勢や政治の腐敗などをチェックし報道発信します。そのための「表現の自由」は 憲法および放送法などによって保障されています。

しかし「法曹」・「放送」のどちらも、時の権力者からは疎んじられています。政権側にとって都合の悪い存在だからでしょう。実際この二つが政府や権力者の手に握られてしまった国は世界の半数以上あり、なおも増加していると言われています。そしていま私が心配するのは「この日本も2015年以降、急激に危なくなって来たな」ということです。戦前に戻るための足音が、その頃から大きくなってきた気がするのです。そうならないよう私達は社会情勢に常に目を光らせておかねばならないと思うのです。

憲法12条に、こうあります。「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」と。