雄さんの昭和ひとりごと (ほ-7)

(ほ‐7) 「ぼくの妹に」 と 「海 その愛」

どちらの曲も 作詞 岩谷時子・作曲 弾厚作・歌 加山雄三 による 1976(昭和51)年の曲です。“ぼくの妹に” は このブログの(と‐2)で 加山さん主演のTVドラマ「東芝日曜劇場 “ぼくの妹に”」を採り上げましたが、今回は曲についての話です。

作曲者の “弾 厚作” とは、皆さんご存じのとおり 加山さんのことですね。非常に多才な加山さんは肩書かたがきが 作曲家・歌手・俳優・画家であり、スポーツでは ヨット・スキーなどが選手級レベル、楽器演奏では ギター・ウクレレの他に ピアノも得意のようです。なので、この “ぼくの妹に” と “海 その愛” をステージで歌う時には ピアノの弾き語りで歌うことが多いです。私は先週のブログ(へ‐7)で “ピアノのコード弾き” について少し書きましたが、実は以前 テレビで加山さんがピアノの弾き語りを “コード弾き” でするのを見て「そんな弾き方があったのか! 」と知って やり始めたのです。

ではその “コード弾き” とはどんなものなのか、「ぼくの妹に」を例にあげて説明してみたいと思います。まず歌詞とコードをお示しします。原曲のキーは “G” ですが、ここでは判りやすいように 完全4度上げた “C” のキーで説明します。

 ぼく(C)のいもうと(Em)なら (F)あいひとすじ(C)に

(F)いきぬいて(C)おく(Am)れ (Dm)ひと(D)りの ひと(G7)に

ちい(C)さいころ ぼく(Am)をしたって (F)かけてきた きみ(G7)よ

それ(C)がこのごろ ぼく(Am)もまぶしい う(F)つくしい むすめ(G7)さ

なみ(C)だうかべな(Em)がら (F)うちあけた こ(C)い

(F)ぼくがつい(C)てる(Am)よ (D)しあ(G7)わせ になろ(C)う

 ・・・使うコードは 「C」「Em」「F」「Am」「Dm」「D」「G7」 の7つですね。標準的な押さえ方は、「C」は 左手が根音の ド、右手の三和音は(親指ド・中指ミ・小指ソ)。「Em」は 左手が ミ、右手は(親指ミ・中指ソ・小指シ)。「F」は 左手が ファ、右手は(親指ファ・中指ラ・小指ド)。「Am」は 左手が ラ、右手は(親指ラ・中指ド・小指ミ)。「Dm」は 左手が レ、右手は(親指レ・中指ファ・小指ラ)。「D」は 左手が レ、右手は(親指レ・中指♯ファ・小指ラ)。「G7」は 左手が ソ、右手は(親指ソ・人差指シ・薬指レ・小指ファ) 以上です。

なお、左手は “単音” ではなく 小指と親指の2本の指を使った 1オクターブの “重音” で弾くと音に “厚み” が出ます。また、右手の3つの音はコードの前後関係を考えて 音の順番を入れ替えたほうが弾きやすくなる場合があります。

例えばこの曲の場合、「C」の次に来る「Em」なら右手は(親指シ・中指ミ・小指ソ)が 親指の移動だけで済むし、その形の「Em」の次に来る「F」なら 右手はその形のまま右方向に平行移動した(親指ド・中指ファ・小指ラ)が チェンジしやすいです。同じく「C」の次に来る「Am」なら 右手は(親指ド・中指ミ・小指ラ)が弾きやすいし、その形の「Am」の次に来る「F」なら 中指だけをミからファに変えた(親指ド・中指ファ・小指ラ)が楽です。なお「G7」は(親指レ・中指ファ・小指シ)もしくは(親指シ・中指レ・小指ファ)の “指3本” だけでもOKですよ。

以上 “ピアノのコード弾き” について長々と書きましたが、興味の沸いた方はYouTubeなどを見て、加山さんになったつもりで弾いてみて下さいね。右手をアルペジオにしたり、両手でリズムを作ってみたりすると面白いですよ ・・・と、この文章を書いている最中に テレビのニュースが次のことを伝え始めました。「加山さんが過去に作曲した未発表のメロディーに さだまさしさんが作詞し、森山良子さんや南こうせつさんなど豪華なメンバー “ザ・ヤンチャーズ” の曲として7月21日の海の日に発表します。曲名は “旅人のうた” です。」ということです。いったいどんな曲なんでしょうか? 楽しみですね(あっ、このブログがUPされる時には もう判かってるんだ!)。・・・引退しても まだまだお元気な加山さんですね。