雄さんの昭和ひとりごと (み-6)

(み‐6) 民族学 と 民俗学

 このブログで以前「ドイツには“文化の地下水”という概念があり、千年に渡る歴史の 民族・民俗・音楽・舞踏・民話・昔話・伝説・風習・思想・宗教 などの水脈が、表に出ることなく脈々と流れている」と書きました。その時は何気なく「民族・民俗・・・」と書きましたが、後になって「はて、この二つはどう違うのだろう?」と、気になりました。

そこで調べてみたのですが、「民族」は 言語・習俗・宗教などの文化内容を共有し帰属意識を持った人間集団のことを言い、語句の使用例として 民族性・民族意識・民族紛争・民族衣装・遊牧民族 などがあるそうです。

一方、「民俗」は 民間の生活の中で伝承されてきた 習俗・芸能・技術などの総称であり、地域により独特の伝承文化があるそうで、語句の例としては 民俗信仰・民俗芸能・民俗文化財 などがある・・・ということでした。

 そして日本には、ちゃんと「国立民族学博物館(民博)」と「国立歴史民俗博物館(歴博)」の二つが国立の博物館として存在することも判りました。どちらも「大学共同利用機関法人・人間文化研究機構」として位置付けられているそうです。その内の“民博”は大阪府吹田市にあって「民族学・文化人類学を中心とした研究・展示を行う博物館を持つ研究所」で、一方の“歴博”は千葉県佐倉市にあって「民俗学・歴史学・考古学の調査研究の発展、資料公開による教育活動の推進を目的に設置された研究機関」ということです。

 私は吹田市の“民博”はこれまで何度か見学したことがあるので「民族学」についてのイメージはある程度解りますが、千葉県の“歴博”には行ったことがないので「民俗学」はいまいちイメージできません。

 ・・・以上、長々と「民族」と「民俗」について書きましたが、実は私がいちばん知りたいことは ハンガリーの作曲家バルトークの書いた曲が「ルーマニア民族・・舞曲」なのか「ルーマニア民俗・・舞曲」なのか、ということなのです。原題は「ルーマニアン・フォークダンス」ですが、日本語版の標題が出版社やレコード会社によって両方あるからです。どなたか真実をご存じの方は教えて下さいませんか?。