雄さんの昭和ひとりごと (り-6)

(り‐6) 流 感

 「りゅうかん」と読みます。正式名称は「流行性感冒」ですが、現在この言葉は使われていません。今は「季節性インフルエンザ」と呼ばれます。昭和の時代、冬になると「流感の季節になったな。人ごみに入らぬよう気を付けよう」と思ったものです。このように、今は他の言葉に置き代わり「昭和の死語」になってしまった言葉をいくつか考えてみたいと思います。

 「皆勤賞」・・・ 小学校なら6年間、中学校や高校なら3年間、一日も欠席せずに通った児童・生徒はその頑張りを称えて卒業式で表彰されました。壇上で校長先生から賞状が手渡されたとき、その生徒には大きな拍手が贈られました。ところがこの賞は現在では行われなくなっています。ヤングケアラーの存在、いじめによる不登校、体調不良なのに無理して登校する、など「家庭的な事情・いじめの問題・感染症対策」等を考慮してのことでしょう。卒業式のあと、教室に帰ってから担任の先生が個人的に手作りの賞状などを渡すことが多いようです。

 「父兄会」・・・ 現在は「保護者会」といいます。「父兄会会場」と掲げられた講堂の椅子に、座っているのはお母さん方ばかり という光景が昔は普通でした。

「集中豪雨」・・・ 大雨が続くと「集中豪雨やな。うらの崖が心配や」などと恐れたものです。現在は気象レーダーが発達したので「線状降水帯」と呼ばれています。大雨を降らせる雲が帯状に連なっているのがテレビのニュースでもよく解りますよね。科学が発達すると言葉まで変わるのですね。

 「ミリバール」・・・ その天気予報で使われた気圧の単位です。現在は「ヘクトパスカル」が使われています。「バール(英語)」も「パスカル(仏語)」も圧力の単位で、ミリは「千分の一」、ヘクトは「百倍」を表します。ミリバールとヘクトパスカルの数字そのものは偶然にも同じなので、皆が意識しない内にごく自然に置き換わりました。

 「アベック」・・・「アベックホームラン」は 二人の強打者が続けてホームランを打つこと(でした)。アベックを「カップル」と言う今では、どう呼ぶのでしょうか?。

 「看護婦」・・・ 男性も多い今は「看護師」と呼ばれています。女性だけの職業では無くなったのですね。

「スチュワーデス」・・・ テレビの「スチュワーデス物語」は みんな観ていましたよね。「教官!」「松本、お前はドジでノロマな亀だ!」のセリフが懐かしいですね。今、再放送をやっていますよ。毎日テレビ(4ch)で 午前10時30分から。12月16日(月)の今日が第18話です。今でも人気があるのですね。この職業にも男性が増えて、女性名詞の「スチュワーデス」を キャビンアテンダント の略称の「CA(シーエー)」に変えた現在、「CA物語」で視聴率は取れるのでしょうか。

 「OL(オーエル)」・・・「オフィスレディー」の略で、事務職として働く女性のことでしたが 和製英語です。

 「ビジネスマン」・・・ 事務職・営業職等で働く人のことでしたが やはり和製英語です。それに、働くのは男だけではありませんよね。上記「OL」と合わせて現在では「ビジネスパーソン」と呼ばれています。

 以上です。性別に関係した変更が多いようですね。たぶん他にもあると思います。思いついた方は教えて下さいね。なお人権に配慮して言い方が変わったものについては、またいつか項を改めて書いてみたいと思います。