(り‐8) リ ハ
音楽・演劇・放送業界などの人は「リハーサル」のことを、略して “リハ” と言います。スタジオなどでカメラマンが行うリハーサルを “カメリハ” と言ったりもします。皆さん ご存じですね。つまり、リハーサルとは「本番を控えての練習」を言い、何度も “ダメ出し” を繰り返しながら、良いものを作って行くことです。
この「リハーサル」と似た概念に「ゲネプロ」というものがあります。「ゲネラルプローベ」というドイツ語ですが、一般的に “ゲネプロ” と略します(もっと略して 単に “ゲネ” という場合もあります)。意味は「本番直前の “通し練習”」で、例えばオペラなら、舞台の情景・出演者の衣装やメイク・歌唱や演技・オケピットでの指揮者やオーケストラの演奏・その他 音響や照明 などをすべて本番通りに、緞帳を上げてから下ろすまでを 途中で止めることなく通します。もし雪を降らせるシーンがあるならば 実際に “紙吹雪” を散らせるのです。私は昔、オペラ「夕鶴」のゲネプロを客席で観させて頂いたことがあります。本番では 1500人の観客が座る席に、数人のスタッフさんと私がいるだけです。アリアを歌う出演者たちの視線が私に集中するのを感じながら聴かせて頂きました。緞帳が下りる時とカーテンコールの時には手が痛くなるほど拍手を送りました。贅沢な経験をさせて頂きました。
ところで、上記「リハ」と「ゲネ」が混在する場合もあるようです。例えば、オーケストラのポップスコンサートなどで、演奏し慣れたプログラムの場合「ゲネ本」と言って、午前中に「ゲネ」をやって午後に「本番」、あるいは午後に「ゲネ」をやって夜に「本番」ということがあります。数多い曲のそれぞれの難しい部分だけを取り出して練習するので、この場合の「ゲネ」は 本来は「リハ」と呼ぶべきです。しかし「リハ本」では語呂が悪いので、慣習的に「ゲネ本」と呼ばれ続けてて来たのでしょう。クラシック音楽の世界にも、“やんわり” した部分があるようですね。