雄さんの昭和ひとりごと -む_3-

(む-3)無縁坂

 作詞・作曲・さだまさし、歌・さだまさし(グレープ)、1975年の曲です。「無縁坂」は東京都文京区に実在する坂で、登って突き当たると東京大学ですがこの曲は東大とは関係なく、日本テレビ系列で1975年11月から全26話放送された「ひまわりの詩(うた)」というドラマの主題歌です。出演者は池内淳子・三浦友和・杉村春子さんなど豪華メンバーで、好評のためシリーズ化されて「詩」の次に「道」「家」と続いたそうです。ところがドラマに比べると歌は暗い雰囲気です。母親に手を引いてもらって坂道を登っているときに「決して振り向いてはいけないよ」と言われた子供がしっかりと手を握ったときの大きな母親の手と、今は小さくなってしまった母親とを比べて寂しさを感じている歌なのです。さださんの曲は、嫁ぎ行く娘が母を想う「秋桜」や、故郷の兄が都会暮らしの弟(妹)を想う「案山子」など、人を気遣う歌がとても多いです。一度、聴き比べてみて下さいね。