雄さんの昭和ひとりごと -う_3-

(う‐3)海辺の恋

 作詞・佐藤春夫、作曲・小椋 佳、歌・小椋 佳、1974年の曲です。 佐藤春夫? 詩人の? そうです。あの「望郷の詩人」と言われた佐藤春夫です。こ
の曲は小椋佳の数多い曲の中で、他の人の詩が使われた唯一の曲だと思います。少し長くなりますが、詩の全文を引用してみたいと思います。 こぼれ松葉をかきあつ
め をとめのごとき君なりき こぼれ松葉に火をはなち わらべのごときわれなりき わらべとをとめよりそひぬ ただたまゆらの火をかこみ うれしくふたり手をとり
ぬ かいなきことをただ夢み 入日のなかに立つけぶり ありやなしやとただほのか 海辺のこひのはかなさは こぼれ松葉の火なりけむ(1921年 殉情詩集「同心
草」より)。・・・故郷の新宮市の海辺で、幼なじみの初恋の人と遊んだ想い出を詩にした作品と言われています。小椋佳は、この詩に三拍子の叙情的なメロディー
を付けました。ぜひ一度、聴いてみて下さいね。