雄さんの昭和ひとりごと -め-

(め)名曲喫茶。

今でもどこかにあるのだろうか? 名曲喫茶。京都岡崎にあったクラシック音楽喫茶の場合は客全員が前方のスピーカーに向かって座り、私語は厳禁。しかしコーヒー一杯で、自分がリクエストしたLPレコード一枚が終わるまでは何時間でも粘らせてもらえたようだ。「ようだ」というのは一回生の時に初めて行って、あまりの重い雰囲気に飛び出してしまい、二度と行かなかったのでよく分からないからだ。ジャズの場合は大学から歩いて5分の所に「YAMATOYA」という有名な名曲喫茶があり、ジャズ好きの先輩に誘われて何度か行ったことがある。また、市電に乗って河原町荒神口の「シアンクレール」に行ったこともある。時々生演奏もあるこの店は当時から有名なジャズ喫茶で、高野悦子さんの「二十歳の原点」にも行きつけの店として登場したが、残念なことに今は跡形も無くなっている。それに対してYAMATOYAは今でも頑張っているようだ。また四条木屋町に「ミューズ」という山小屋風のいい名曲喫茶があったが、建物はそのままで今は焼肉店になっている。それはそれで、少し寂しい…。