雄さんの昭和ひとりごと -や-

(や)ヤンタン

 正式名称は「歌え!MBSヤングタウン」(当時)。今も続く毎日放送の長寿DJ番組だが、50年前は吹田の千里丘陵にあった放送局の大きなスタジオに客を入れて公開収録したものを深夜に流していた。司会は月~水が局アナの斉藤努氏、木~土が若手落語家として人気急上昇中の桂三枝(現文枝)さんだった。私は中学生のときから仲間と始めたフォークバンドで活動していたが、高校一年生のときにこのヤンタンに出演したことがある。土曜日だったので司会は三枝さんだった。私たちを「海外からのお客さんです」と紹介して笑いを取ったあと、ご自身も「高校生のとき船で淡路島の瓦を大阪まで運搬するアルバイトをしてて、将来は船乗りになろうと思っていた」という話をしてくださった。するとゲストの北山修氏も「自分が生まれたのは実は淡路島で、当時ヤギのミルクを飲んでいた」という話をしてくれました。まあ、いろいろと面白い経験だったが一番びっくりしたのは収録中に休憩に入ったら、放送で流れるCMがスタジオでもそのまま流れたことだ。その時のCMは三枝さんの声で「ミキもクボもネムラのダマシ、ヘンタイキスキス」というもので、スタジオ中の観客は爆笑するし、三枝さんは照れるしというハプニングがおもしろかった。ちなみに意味は「君も僕も島田のラムネ、たいへん好き好き」というものでした。