雄さんの昭和ひとりごと -ら-

(ら)ラ。ドレミファソラシドの「ラ」。英語はA(エイ)、ドイツ語は(アー)。実はすごく大切な音なんです。開演前、指揮者が登壇する前にコンサートマスター(女性はミストレス)の指示でオーボエ奏者の吹く音に合わせてオーケストラ全員がステージ上でチューニングしますが、その時の音がA(アー)つまり「ラ」の音です。また楽器店などで売られている音叉(おんさ)も「A」のものです。ただ、音楽の音というものは時代とともに高さが変わってきたようで、バロック時代のAは今より半音ほど低かったそうです。現代でも少しづつ変化があるようで、音叉にも440Hz・442Hz・443Hzなどのものが混在していますが、高い443Hzのものが好まれているようです。つまり音は、全体的に高くなりつつあるということでしょう。こんなことがありました。学生時代のオーケストラ授業でのことです。演奏前のチューニングでコンマス(コンサートマスターのこと)の学生が立ち上がって「Aの音」を弾きながら「これに合わせてください」と言ったときに管楽器の学生が怒り出し「ふざけるな。そんな高いAに合わせられるか!」と言ったのです。おそらく446Hzぐらいあったのでしょう。当時の管楽器にはチューニング不可能な音程です。コンマスにすればできるだけ高い緊張感ある音でやりたかったのでしょうが、その時の練習はとても気まずいものになったことを覚えています。・・・ところで話は変わりますが、皆さんの「昔と今で変わったもの」は何ですか?。