(つ‐5c)「強さ」について
今回は音の強弱(ダイナミクス)についての演奏法上の確認です。皆さんご存じのことと思いますが、今しばらくお付き合い下さいね。では
「強弱」の基礎となる記号
強く・・・f(forteの略)
弱く・・・p(pianoの略)
「その他」の記号
やや強く・・・mf(mezzo forteの略)
やや弱く・・・mp(mezzo pianoの略)
きわめて強く・・・ff(fortissimo) fff(forte fortissimo)
きわめて弱く・・・pp(pianissimo) ppp(piano pianissimo)
次第に強く・・・crescendo(cresc.) または 開いていく松葉のマーク
次第に弱く・・・diminuendo(dim.) decrescendo(decresc.) または 閉じていく松葉のマーク
※「次第に強く(弱く)」が長いフレーズに渡る場合は、これらの単語を少しづつ区切って記入する
なお、これらの記号は絶対的な音の大きさを表すものではなく、相対的に大雑把に用いられるものです。なので ff は fの2倍の大きさで演奏するわけではありません。またfやpの数も3個が限度というわけではなく、曲によっては4個以上付いている場合がありますが、それも指揮者や演奏者の判断に委ねられるべきものです。
楽譜の途中でダイナミクスの大きさを変える時は単に新たな記号を書くだけで良く、また間を置いて書かれた同じ記号は前の記号と重複するものではありません。fの次に書かれたfに ffの効果があるわけではないのです。
強く演奏した直後に弱くしたい場合は fp(forte piano)を用い、急激な変化を強調したい場合はsubito(突然に)を用いてsubitopのように表記します。
曲の途中で、ある特定の音をその前後に比べて強く演奏する場合には sf(sforzando)や sfz(sforzato)、fz(forzato)や rf(rinforzando)、rfz(rinforzato)などの記号 および アクセント記号( > や ∧ )を用います。なお、これらは「その前後に比べて強く」という相対的なもので、fの中で用いられたsfはffぐらいに、pの中で用いられたsfはmpかmfぐらいに演奏するのが普通です。間違わないようにしましょうね。以上です。