雄さんの昭和ひとりごと (き-8)

(き‐8) 木 屋

 「きや」です。材木商のことを昔は「木屋」と言い、愛媛県の松山市や岐阜県の笠松町ほか、全国の木材産地や集積地などで “木屋” が多く集まった場所には必ず「木屋きやまち」がありました。京都の河原町通りのすぐ東側を南北に流れる「高瀬川たかせがわ」沿いにある「木屋町通り」は、運河である高瀬川の水運を利用するため 川沿いに材木商が多く並んでいたことからこの名前が付いたそうです。

ところが今では高瀬川も浅くなって舟が通れなくなり、“木屋” に代わって各種の飲食店や遊興施設が立ち並びました。川面にうつる “赤い灯・青い灯” が柳の木にえて 今や京都でも有数の歓楽街になっています。

 私は大学一回生の時に、よく先輩に連れられて 岡崎の「YAMATOYA」や 河原町荒神口の「シアンクレール」などのジャズ喫茶に行きましたが、四条木屋町の名曲喫茶「みゅーず」や 三条木屋町の洋酒喫茶「白夜」や「ワインリバー」にも行きました。

“洋酒喫茶” というのは、喫茶店のような雰囲気で 映画音楽や軽いジャズが流れていて、ウィスキーやブランデー、各種ワインやカクテルなどの洋酒を楽しめる 女性でも気軽に入れる店のことでした。おつまみは ピーナッツやカシューナッツ、アーモンドやマカデミアなどのナッツ類が中心で、他に “チューリップ”  という鶏の手羽先のからあげも人気がありました。バスケットに入っていて、骨をつまんで手軽に食べることができたからでしょう。

店の内装は、ワインリバーの場合は店の真ん中に楕円形の大きなカウンター席があって、適当に座ろうとすると店員から「先客のすぐ横に詰めて座るように」と言われました。見ていると、次々に来る客の全てが詰めて座らされ、すぐに満席になりました。「なるほど、バラバラに座って 後で詰めさされるよりも良いな」と思った記憶があります。

 ところで、ギター曲の「夜が来る」をYouTubeで聴こうとして サントリーオールドの昔のCM「恋は、遠い日の花火ではない」シリーズを見たときに、明らかに京都の木屋町通りでロケしたと思われる場面があって、とても懐かしかったです。・・・余談ですが このCMは京都ロケが多く、父親役の國村隼さんが町家の並ぶ千本通りを歩いたり、路面電車の “嵐電” が横切る「西院」の道で娘さんと電話をするシーンなどがあり、京都で暮らした人にとって 嬉しいCMです。いちど見てみて下さいね。