雄さんの昭和ひとりごと を_3-

(を-3)をいちにの薬屋さん

 インターネットやテレビ・ラジオの無かった時代、商品の宣伝やコマーシャル活動はどうしていたのでしょう。すぐに思いつくのはチンドン屋さんです。クラリネッ
トやトランペットなどの管楽器と、三味線やバイオリンなどの弦楽器、鉦や太鼓の鳴り物などの演奏で景気よく新商品やお店の宣伝を歌いながら練り歩き、ビラを撒いた
ので宣伝効果は抜群でした。一人の場合は「テキ屋」という露天商です。町の広場などで「口上」という面白いことを言って人を集めて笑わせ、頃合いを見て商品を売り
つけるというやり方です。「寅さん」でお馴染みですね。そして他に、一人でチンドン屋のようなことをやるのが今日お話しする「をいちにの薬屋さん(又はお一二の薬
売り)」です。目立つように(仁丹の琺瑯看板のような)軍服を着て、背中に薬の名前を書いたのぼり旗を立て、歌をうたいながら行進して町の子供たちを後に続か
せ、そして居合わせた客に薬を売るのです。それがどんな歌だったのかはYouTubeで観ることができます。「をいちにの薬屋さん」又は「お一二の薬売り」で検
索すると、黒澤明監督の「まあだだよ」という映画の中で大人数が(ジェンカのように)列になって、内田百閒の歌に合わせて行進するシーンを観ることができま
す。若い頃の寺尾聰さんがバンドネオン(手風琴)をいい雰囲気で弾いています。よければ一度観て下さいね。・・・今回は「昭和フォーク」からだいぶん外れてしまい
ました。