雄さんの昭和ひとりごと (せ-8)


せ‐8) セーハ

 ギター奏法の一つです。左手の人差し指で1弦から6弦までを一度に押さえるテクニックのことで、「セーハ」の言葉の意味はスペイン語の “眉” だそうです。押さえる指がちょうど人の眉のような形になっているからでしょう。中指・薬指・小指は他の弦を押さえます。

 “昭和フォーク” の弾語りをしたくてギターのコード弾きを練習し始めた人が最初に突き当たる壁が、この “セーハ” です。Fコードのセーハが避けて通れないからです。F ができなくてギターを挫折した人は多いのです。

その押さえ方は、人差し指で1フレットをセーハし、中指で3弦の2フレット、薬指で5弦の3フレット、小指で4弦の3フレットを同時に押さえます。なお、このようなコードを「セーハコード(バレーコード)」と言います。

例えば、当時3つのコードしか弾けなかった岡林信康氏が「自分でも弾ける簡単な曲を作った」と言う「友よ」も、その “簡単な3つのコード” とは Cと G7と この F なのです。

他にも、 G で始まる曲の場合 Bm というセーハコードが必ず出てくるし、 F で始まる曲にいたっては B♭ という とても押さえにくいコードが出てくるので、セーハの苦手な人にとっては “ダブルパンチ” です。

でも “コツ” が解るとセーハコードも怖くありません。それは「セーハ」がスペイン語で「眉」を表すことと関係があります。眉が少し “弧” を描いているように、セーハも人差し指で弧を描くように押さえるのです。人差し指が頑張らなければならないのは指先で押さえる5・6弦と根元ねもとで押さえる1・2弦だけで 真ん中の3・4弦は浮いていても大丈夫、中指・薬指・小指のどれかが押さえます。このセーハコードをマスターするとギターの弾き語りが さらに面白くなります。

例えば、F の形のままセーハを3フレットに上げると G になるし、5フレットに上げると A になります。

B♭ の押さえ方は、人差し指で1フレットをセーハし、中指で4弦・薬指で3弦・小指で2弦の、それぞれ3フレットを押さえます。とても押さえにくいです。しかし2フレットに上げると B に、3フレットに上げると C に、5フレットに上げると D になります。

Bm の押さえ方は、人差し指で2フレットをセーハし、中指で2弦の3フレット、薬指で4弦の4フレット、小指で3弦の4フレットを押さえます。これを3フレットに上げると Cm に、5フレットに上げると Dm になります。

Fm の押さえ方は、人差し指で1フレットをセーハし、薬指で5弦の3フレット、小指で4弦の3フレットを押さえます。要するに、F から中指を外した押さえ方です。これを3フレットに上げると Gm に、5フレットに上げると Am になります。

以上をマスターすると、セーハコードだけで曲の弾き語りができるのです。なお、エレキギターはネックが細く 左手の親指で6弦や5弦を押さえることができるので コードはセーハではなく左手全体でネックを握るようにして押さえています。ロックバンドでコード弾きをするサイドギターの人が ネックを握った手を上下にスライドさせているのは、このテクニックを使っているのです。セーハを制覇すると、ギターの表現に幅が出ますよ。