雄さんの昭和ひとりごと -ゆ_3-

(ゆ-3)夢の中へ

 作詞・作曲・歌・井上陽水、1973年の曲です。井上陽水さんは小椋佳さんとコラボして作った「白い一日」の他、「心もよう」「氷の世界」「少年時代」「傘がない」など、作った曲はこれまでに数限りありません。また最近ではタモリさんが日本各地の地形や歴史の謎を訪ねるNHKテレビの人気番組「ブラタモリ」のテーマソング「女神」と「瞬き」を手掛けられました。番組は今も続いていますが「テレビなんか見てないで、どこかへ一緒に行こう」という歌詞が面白いです。この「夢の中へ」も「(捜し物は)捜すのを辞めた時に見つかることもよくある話で」の部分では思わず「そうそう」と肯いてしまいます。そして極め付きは故忌野清志郎さんとコラボして作った「帰れない二人」という曲です。面白い逸話があります。ある夜、星さんという友人と三人で飲んでいた時に「もう遅いから、帰るよ」と星さんが立ち上がったので「もう少しいいだろう?」と二人が止めたことがきっかけでこの曲ができた、ということらしいです。この歌を聴いてみるとよく分かりますよ。このように陽水さんの曲は他の「昭和フォーク」とは一線を画すユニークな雰囲気の歌が多いです。なにせデビュー時の芸名が「アンドレカンドレ」で、歌が「カンドレマンドレ」だったという洒落っ気たっぷりの人ですから。しかし、実は気になる歌が一曲あります。「チエちゃん」という1973年の曲で、「誰にも見送られずにひとりで空へ、眩しい空へ消えてしまった」という歌です。調べても詳細は分かりません。私は密かにユーミンの「ひこうき雲」のような事ではないか、と思っているのですが・・・。