雄さんの昭和ひとりごと (か-8)

(か‐8) 伽 耶

 「かや」です。「伽耶」は古代朝鮮半島の南部にあった小国家群の名称ですが、6世紀の中頃に東隣りの新羅しらぎに統合されて消滅してしまいました。しかし “伽耶” の名を残す物が幾つかあって、その一つに「伽耶かやぐむ」があります。伽耶琴は奈良時代に交易を通じて新羅から日本に伝わったので “新羅琴” とも呼ばれ、奈良の正倉院には “宝物” として保存されているそうです。なお、韓国などでは現在も普通に演奏されている楽器であり、日本でも時折り演奏会が開かれることがあります。

事実、この5月下旬に神戸の東灘区岡本で実施された “韓国フェア” でも 韓国の演奏者による伽耶琴と打楽器の「チャンゴ」の二重奏がありました。そして招待されたカノンムジークの子ども達や先生方が弦楽合奏を披露し、そのあと伽耶琴やチャンゴとの合同演奏、最後に 伽耶琴の演奏を体験させて戴きました。カノンの子ども達が「チョゴリ」を着せて戴いて楽しそうに演奏している情景が、この「教室ブログ」の5月23日付けでUPされているので、ぜひご覧になって下さいね。

 さて、もともと日本には「そう」というお琴があります。演奏者としては江戸時代に「六段の調べ」を作曲した「八橋やつはし検校けんぎょう」が有名ですね。この筝と伽耶琴は中国起源の同じ楽器が、それぞれの国で独自に発展して今日に至ったそうです。なので楽器は筝のほうが少し長いですが 形は似ています。弦の数も筝は13本、伽耶琴は12本、調弦はどちらも五音音階で、筝は主に「レ ♭ミ ソ ラ ♭シ」、伽耶琴は俗に “ヨナヌキ” と呼ばれる「ド レ ミ ソ ラ」です。また、弦をはじく指に「ことづめ」をめるのが筝で 嵌めずに直接指で弾くのが伽耶琴、演奏する時に楽器を「きんだい」に乗せるのが筝で 膝に乗せて奏するのが伽耶琴、という違いもあります。

 私は日本音楽の研修会で筝を演奏したことは何度かありますが、伽耶琴は一度もいたことがありません。“優しい” と言われるその音色を ぜひ聴いてみたいものです。