2日間にわたるリハーサルと演奏会を終えて、やっと気が楽になったこの日の夜は、ウィーン市内の3ヶ所に分かれてコンサート三昧。
最後はフォルクスオーパーでオペレッタ「メリーウィード」の観劇。
U6の地下鉄路線で、このラインは古くからあり、高架で地上を走ることも多いので景色を楽しめる路線です。車両は昔のままのタイプなので懐かしい気持ちで乗れます。
U6の駅は〇〇シュトラーセと言った「〇〇通り」という名称の駅が特に多く、路線中間部分にウィーンで一番大きいAKHウィーン市立病院(Allgemeines Krankenhaus der Stadt Wien)があります。この病院は世界的にも高水準の医療を提供することで有名です。
そのAKHの次の駅がヴァーリンガーストラーセ・フォルクスオーパー。総勢14名で行きましたが、57ユーロの席が子どもは13ユーロ、30歳以下だと15ユーロで確保できます。
レハール作曲の「メリーウィドー」はパリを舞台に、とある小さな国の大使館と未亡人邸でのお話。一人の婦人が小さな国の大富豪と結婚したものの8日後に夫が亡くなり多大な財産を相続。その財産が小さな国の大きな糧となるため、なんとかしてその未亡人が他の国の人と再婚しないように仕向けたい小さな国のお役人たち。その小さな国のある男性を未亡人に近づけようと試みますが実はその男性と夫人が昔恋仲だった、、、今でも好きだけれど「(お金目当てではないのに)お金目当てに近づいたと思われたくない」男性。それを取り巻く中でオペレッタ特有の喜劇が繰り広げられ、最後の最後に「私は夫の遺言通り、再婚したら財産は手放すつもり」という夫人に「それならば結婚を申し込みたい」と言った真実の愛を告げる男性。「遺言には続きがあって、私は財産を引き継がないけれど相手の人に全てを渡す」と言う夫人に小さな国のお役人さんたちもハッピーになり二人を祝福する、というお話。
このオペレッタの中に歌われる「ヴィリアの歌」や二人が顔を見合わせて踊り始める「ワルツ」が有名で語りの中に流れてくるメロディーにもたくさん聞き覚えのあるフレーズがあり、何度見ても飽きない作品の一つです。
さて子どもたちの反応はと言うと「昼間のコンサートで疲れているかもしれないから1幕が終わったら連れて帰って」と日本を出発するときに保護者の方からお願いされていましたが最初から身を乗り出して、9歳児の二人が眠りもせずにオペラグラスで覗いたり演者の動きに目で追っています。1幕が終わって「どうする?帰る?」と聞くと「最後まで観たい」と言うお返事。【本物を見極めて入り込んでいる子どもたち】を目の当たりにして(最後まで私も見ることが出来る💛という嬉しさも加わって)言葉にならない感銘を受けました。「9歳で初めてオペラを観たのが本場ウィーン♬」何という素敵な体験でしょう!
最後にカーテンコールで出てきた指揮者さん。華奢な女性ですがダイナミックな素晴らしいオーケストラの音色を醸し出してくれました。