雄さんの昭和ひとりごと ぬ_5

(ぬ‐5) ヌオヴェ・ムジケ

 イタリアの作曲家カッチーニが1601年に出した曲集のタイトルで、意味は「新しい音楽」です。

ジュリオ・カッチーニはルネサンス音楽の末期からバロック音楽の初頭にかけて活躍した人です。なお「新しい音楽」としてはバロック後期の「ムジカ・ノヴァ」や20世紀日本の「ニュー・ミュージック」などがあります。ところで「新しい音楽」で思い出すのが1984年のアメリカ映画「アマデウス」です。

この映画は、才能ある作曲家モーツァルトと凡人作曲家サリエリとの息詰まるサスペンスドラマです。宮廷作曲家のサリエリは自分の地位を守るためにモーツァルトを皇帝から遠ざけようと画策します。そんな中で、オペラ「フィガロの結婚」の宮廷劇場での上演許可を皇帝に嘆願するモーツァルトが、自分の音楽がいかに新しいかを必死に訴えるシーンが印象的です。また、皇帝から上演の許しが出たあとも、サリエリ達の妨害工作のために「音楽抜きのダンス」を強いられますが、その稽古中に突然入ってきた皇帝が「これが“新しい音楽”なのか?」と聞くシーンも面白いです。

まだの方は是非観て下さいね。その年のアカデミー賞を「総なめ」にしたこの映画、面白いですよ。そして「新しい音楽」は、いつの時代にも求められているのですね。