雄さんの昭和ひとりごと ね_4-

(ね‐4)螺 子

 「ねじ」と読みます。あの、物と物を繋ぎ合わせて固定する「ネジ」です。そうです「ネジ」は日本語なのです。そもそも「螺」という字には「巻き貝」の意味があって「田螺(たにし)」や「法螺(ほら)貝」など、貝の名前にも使われています。また「螺旋階段」のように形状が「巻き貝状」の物も指すことがあります。ただ、なぜ「螺子」の読み方が「らし」でなく「ねじ」なのかは、二つの字をまとめて訓読みにする「熟字訓」であること以外は判りませんでした。なにかの「当て字」なのでしょうか。どなたかご存じの方は教えて下さいね。なお「ねじ」にはもう一つ意味があります。昔は柱時計や腕時計の動力が「ゼンマイ」だったので、動かすために指で「ねじ」を巻いていました。そのため「螺子」を使った慣用句がいくつかあって、「螺子を巻く(気を引き締める)」や「螺子を緩める(気を緩めてしまう)」など主に精神的なことを指しています。ところで「ネジ」と言えば、弦楽器に携わる我々にとって忘れてはならない演奏家がいます。なにしろ下の名前が「ネジ子」さんなのです。「諏訪根自子(1920~2012)」。幼い頃は「天才美少女」と呼ばれ、ドイツに留学してからはベルリン・フィルと共演し成功を収めるなど「国際的な美貌ヴァイオリニスト」と言われた女性ですが、その波乱万丈の運命は怒涛の波に弄ばれるもので、数々の伝記やTVドラマに採り上げられています。興味のある方は一度読んでみて下さいね。 さて次回は(の‐4)です。さあ何を書こうかな。