雄さんの昭和ひとりごと -ち_2-


(ち‐2)「チコタン」ぼくのおよめさん

 いま、NHK‐TVの「チコちゃんに叱られる」がブームになっていますが、およそ50年前は「チコタン」が全国的に話題になっていました。それには、ある時代背景が関わっています。・・・小学生の「ぼく」は近所の女の子「チコタン」が好きで結婚を申し込みますが、断られてしまいます。その理由は、チコタンはお魚が嫌いなのに「ぼく」の家が魚屋をやっているからです。一人息子の「ぼく」は両親を恨みますが、チコタンからエビとカニとタコは好きと聞いて、魚屋を継いだらエビ・カニ・タコだけ売るからと約束してチコタンに結婚を了承してもらいます。ああ、幸せ一杯の「ぼく」!。こどものための合唱組曲「チコタン」、サブタイトルは「ぼくのおよめさん」。作詞・蓬莱泰三氏、作曲・南安雄氏による1967年の作品です。しかし曲の後半には悲劇が待っています・・・。この曲が書かれた今から約50年前は「高度経済成長期」と呼ばれた時代の真っただ中で、日本全国で工事用の大型車や土を満載したダンプカーが狭い道を猛スピードで走りまわっていました。当然、事故も多くその死傷者の数から「交通戦争」とも呼ばれていました。子どもの犠牲者も多かった・・・。そんな時代背景を持つ曲です。笑いと涙の、いかにも大阪的な曲です。今でも歌い継がれていますので、ぜひ一度聴いてみてくださいね。余談ですが、この曲を歌った全国の合唱団の子どもたちは、しばらくの間「大阪弁」が抜けなくなるそうです。