雄さんの昭和ひとりごと -の_2-

(の‐2)ノンちゃん雲に乗る

 「ノンタン」という猫が主人公の絵本がありますが、今回は「ノンちゃん」です。児童図書「ノンちゃん雲に乗る」作・石井桃子 福音館書店(1951年)。1955年には鰐淵晴子主演による映画化もされました。ある春の朝、8歳の女の子ノンちゃんが起きると、お母さんとお兄ちゃんは自分に黙って出かけていました。悲しくなったノンちゃんは飼い犬「エス」と一緒に散歩に出て木に登り、池に映った空の雲を見ているうちに誤って池に落ちてしまいました。気が付くと、ノンちゃんは雲に乗っていました。白いヒゲのお爺さんがノンちゃんを熊手ですくって助けてくれたのです。雲の上には、友達の男の子もいました。ノンちゃんはお爺さんに自分や家族の身の上話をしました。するとお爺さんはノンちゃんに「噓をつくと家に帰れる」と言います。家に帰りたいノンちゃんは果たして何か嘘をつくのでしょうか。・・・以前紹介した「オズの魔法使い(映画は1939年)」を彷彿とさせる話ですね。飼い犬が大事な役どころを演じるところも。ところで、この物語は雛祭りの頃に紹介すべきだったと反省しております。「雛飾り」がキーワードだからです。