雄さんの昭和ひとりごと -ま-

(ま)♪ まるたけえびすにおしおいけ、あねさんろっかくたこにしき、しあやぶったかまつまんごじょう。ご存じ、京都の町中を北の丸太町通りから南の五条通りまで東西に通る路を順番に唱えたわらべ歌です。読み上げていると自然にメロディーが浮かんできますね。ちなみに通りの名前を正式に並べると、丸太町、竹屋町、夷川、二条、押小路、御池、姉小路、三条、六角、蛸薬師、錦小路、四条、綾小路、仏光寺、高辻、松原、万寿寺、五条の各通りです。これに対して、南北に通る路をうたったわらべ歌には「これ」といったものがなく、皆さんそれぞれに独自のものを唱えているようです。私は、河原町通りのすぐ西の寺町通りから烏丸通りまでの路を次のように唱えています。「てらごこふやとみやなぎのばんば、さかいたかくらあいだのちょう、ひがしくるまや、かーらすま」。…特にメロディーはありません。通りの名前は東から順に、寺町、御幸町、麩屋町、富小路、柳馬場、堺町、高倉、間之町、東洞院、車屋町、烏丸の各通りです(新京極は寺町に含まれます)。三条通りと堺町通りの交わる「三条堺町」には高田渡さんの「コーヒーブルース」で有名な「イノダコーヒ」があります。高倉通りと高辻通りの交わる「高倉高辻」には源氏物語を彷彿とさせる風雅な地名の「夕顔町」があります。また、烏丸通りと丸太町通りの交差点には「烏丸丸太町」と表示板が出ていますが、私たちはこれをふざけて「カラスまるまる太った町」と読んでいました。まあ、大学生活を京都で過ごし、なかでも一、二回生の時には名所を訪ねて仲間と京都中を自転車で走り回ったので、今でもTVなどで京都の有名スポットなどが紹介されると「ああ、あそこだな」と分かります。四年間という短い期間でしたが、京都で過ごすことができて、とても幸せでした。