雄さんの昭和ひとりごと う_4-

(う‐4)宇 治

 皆さんは「宇治」と聞いて何を想い浮かべますか?。宇治茶でしょうか。美味しいですね。それとも世界遺産の平等院でしょうか。国宝の鳳凰堂は十円硬貨で有名ですね。ミュージアムには国宝や重要文化財がたくさん展示されています。まだの方は一度見学に行かれてはいかがでしょうか。古典文学に関心のある方が想い浮かべるのは源氏物語の「宇治十帖」でしょうか。源氏物語の末尾に位置する文章ですが、本編とは趣が異なるために紫式部の作ではないと言われる「謎の物語」ですね。また、小倉百人一首に興味のある方は「わが庵は 都の辰巳 しかぞすむ 世を宇治山と 人はいふなり」という歌を想い浮かべるかもしれません。これは平安時代の初期、宇治山に住んでいた僧侶「喜撰法師」が詠んだ歌です。喜撰法師は「六歌仙」の一人に選ばれるほどの和歌の達人ですが「謎」の多い人物でした。「お宅は?と 聴かれたように 喜撰詠み」という川柳がありますが、これは上記の歌を皮肉った句です。年齢不詳・住所不定のまま、晩年は仙人に変貌して最後は空に飛んで行ったという伝説があります。「喜撰」や「十帖」など、宇治は「謎」も多い所ですね。