雄さんの昭和ひとりごと お_4-

(お‐4)御 師

 「おし」と読みます。特定の社寺に所属して、信者やその社寺への参詣者に対して祈祷や参拝などの案内をした神職のことを言います。御師の人たちは、その社寺へ
の街道沿いに「御師町」と呼ばれる旅館街のような街並みを形成し、参詣者に休憩や宿泊などの世話もしました。また地方に出向いて、自分たちの寺社への参
詣を人々に勧めて廻る活動も活発に行いました。その結果、地方では「講」という組織を作り、人々がお金を出し合って積み立て、毎年代表者が参詣に行くという方
法が定着しました。この「御師」や「講」の組織は日本全国の寺社に存在しましたが、特に有名なものとして富士山参りの「富士講」と伊勢参りの「伊勢講」がありま
す。現在もそれぞれに詳細な記録が残されていて、御師町の一部が再現されている地区もあります。NHKの「ブラタモリ」では実際にタモリさんが御師町をブラブラし
て地元の博識者の方に案内されていました。驚いたのは、宿泊した参詣者に対する御師の接待がかなりのものだったことです。特に伊勢の場合は新鮮な魚介類の料理がと
ても豪華で、現代の料理旅館のようでした。当時の「講」の人たちは順番が早く自分に回って来ないかと、さぞ待ち望んだ事でしょう。なお、伊勢の場合は特に「おん
し」と呼んだそうです。さすが「伊勢神宮」ですね。 さて、次回は(か‐4)です。何を書こうかな?。