雄さんの昭和ひとりごと (るー5)

(る‐5) ルーマニア民俗舞曲

 ハンガリーの作曲家 バルトーク(1881~1945) が1915年に発表した6曲から成るピアノ曲で、後にバルトーク自身が小管弦楽曲に編曲しました。今ではさらに他の人によって編曲された吹奏楽バージョンや弦楽バージョンなどの楽譜も出版されています。曲想は、ハンガリーの民俗音楽である「チャルダーシュ」(モンティーの曲が有名)や サラサーテの「チゴイネルワイゼン」シューマンの「流浪の民」のように、非常に民俗的・民族的な内容です。日本語で「民俗舞曲」という重々しいタイトルが付けられていますが、要するに「フォークダンス」のことです。

そしてこの曲は私が高校の弦楽部の顧問をしていた時に数校の弦楽部で合同演奏をした想い出深い曲でもあります。その年に開催された「近畿高等学校総合文化祭」で大阪府の代表として発表したのですが、超絶技巧を必要とする5曲目・6曲目を克服するために生徒たちはそれこそ「死に物狂い」で練習しました。ほとんどの生徒が高校に入ってから弦楽器を始めた人たちです。本番での演奏が成功し、控え室に戻った生徒たちは互いに手を取り合って号泣していました。以前このブログの(て‐2)ディヴェルティメント でも合同演奏を成功させた生徒たちが号泣した話を書きました。それぞれ10年の開きがある話ですが、その時の生徒さん達は大人になった今どうしているのでしょうか。