雄さんの昭和ひとりごと は_5c

(は‐5c) 阪神パーク

 以前(は‐5b)で「阪神電車(国道線)」という、今は無き路面電車のことを採り上げました。親戚のアパートが国道2号線沿いにあったので走っている光景をよく見たし、レールに置いた五寸釘を電車に轢かせてナイフを作って遊んだりしたからです。しかし一度だけですが、その電車に乗ったことを思い出しました。乗って「阪神パーク」に行ったのです。行ったのは伯母といとこ3人、私・姉・母親の7人だったと思います。いつもは見るだけの電車に乗ることができるし遊園地にもいけるしで、とても嬉しかったことを憶えています。阪神パークに着いて、まず「レオポン」を見ました。レオポンとは父親がヒョウ・母親がライオンの雑種で、当時阪神パークが大々的に「売り物」にしていた動物です。でも幼い私には「何か変な怖い動物」にしか見えませんでした。そのあと観覧車やコーヒーカップなどの遊具で遊んでお昼になったので、芝生広場で持参のお弁当を開きました。当時のテーマパークは弁当持参がOKだったのです。園内の食堂は小さい上に、せいぜいうどんやカレー、おでんやお酒を出す程度だったからでしょう。青空の下、広い芝生の上で私達は気持ち良くお弁当を食べました。でもその夜、私は眠れませんでした。すぐ前の国道をパトカーがサイレンを鳴らしながら何度も通り、そのたびに「何か変な怖い生き物」が、私の寝ている部屋に入って来そうな気がしたのです。・・・その「阪神パーク」も今は無く、跡地には大型商業施設ができています。