雄さんの昭和ひとりごと ふ_5b

(ふ‐5b)舞台用語

 以前このブログの (よ)夜なのに「おはようございます」で、舞台関係者の使う独特の用語を少し紹介しましたが、今回はその続きです。それぞれの言葉の由来も一応紹介しますが、諸説あると思います。そのつもりで読んで下さいね。

ばみる・・・舞台の床に色テープなどを目印のために貼ることです。本番前のリハーサル時に、人の立ち位置・マイク・譜面台・ピアノ・キーボード・アンプ類等々の場所にテープの色を分けて貼り、必要な文言をマジックペンで記入します。出演するグループが多いと、それぞれに色分けをしなければならないので大変です。本番ではその目印を頼りに舞台配置をします。言葉の由来は「場を見る」にあると言われています。

尺高(しゃくだか)・・・ひな壇などを通常設定よりも高く設営することです。日本の舞台関係者には今でも「尺貫法」が生きていて、ひな壇の横幅の長さなども「間(けん)」で表されます。「このホールの通常は八間だが、今回は九間に設営する」などと使います。

八百屋・・・ステージの一部または全体を客席に向かって傾斜させることです。ミュージカル「CATS」では奥から出て来た猫が客席の前まで滑って来ますが、これは「舞台が八百屋になっているから」できることです。以前、何かの番組で歌手のさだまさしさんが京都の清水の舞台に立った時に「ここの床、八百屋になってる!」と言っていました。お寺側の説明によると「雨が舞台に溜まらずに、流れて行ってくれるように」とのことでした。言葉の由来は「客から野菜がよく見えるように、八百屋さんの平台が斜めになっているから」です。

ドン前・・・開演前に司会者などが緞帳(どんちょう)の前でトークをすることです。その際に使用されるマイクが今ではワイヤレスですが、昔は「サンパチ」と呼ばれる漫才でよく使われるマイクでした。床から出てくる「エレベーターマイク」で、トークが終わるとスルスルと下がって床に入りました。SONYの、形式番号が「C‐38B」なのでサンパチと呼ばれました。

8の字巻き・・・マイクコードなどを手で巻く時の舞台関係者独特の方法です。「一回巻くごとに、次は逆にひねって巻く」を繰り返します。こうすると次に使う時に「ねじれ」が無くコードを伸ばせます。言葉の由来は、そうして束ねたコードを広げると「8の字」に見えるからです。しかしこの技術も、ワイヤレスマイクが主流になった今では使われることが少なくなりました。昔の歌番組などの音響担当者の方々は歌手たちの持つマイクのコードさばきで大変だったと思います。・・・今回は以上です。 ところで、今までこのブログを毎日書いてきましたが、これからは「週一」のペースでアップすることになりました。よろしくお願いいたします。