雄さんの昭和ひとりごと ふ_5c

(ふ‐5c) 符 丁

 「ふちょう」と読みます。その業界の人達にだけ通じる言葉のことで、お金に関する話の時に使うことが多いです。例えば「無料」のことをよく「ロハ」と言いますが、これは「只(ただ)」という字を分解したものだと言われています。音楽業界の場合はドイツ音名を使うことが多く、5千円を「げーせん」、2万円を「でーまん」などと言います。もっと短くすることもあり、2万5千円を「でーげー」と言ったりします。これは、このブログの(し‐5)でも書いたように、音階の1番目である「ド」がC(ツェー)・2番目の「レ」がD(デー)・3番目の「ミ」がE(エー)・4番目の「ファ」がF(エフ)・5番目の「ソ」がG(ゲー)・6番目の「ラ」がA(アー)・7番目の「シ」がH(ハー)なので、それを利用しているのです。例えば電車に乗っている時、隣席の音楽仲間に「明日のゴトシ(仕事のこと)のラーギャ(ギャラのこと)は?」と聞いて「でーげーらしいよ」と教えてもらっても、周りの人たちには何のことか判りませんね。品はありませんが便利です。そしていま、仕事のことを「ゴトシ」、ギャラを「ラーギャ」と書きましたが、音楽業界では言葉を逆さまにする「符丁」もあります。ジャズを「ズージャ」、お金を「ネーカ」、演奏旅行やツアーを「ビータ」などと言ったりして、今でもよく使われています。